スタイリッシュで省スペースなタンクレストイレは、さまざまな世代に人気ですが、リフォームには費用の悩みがつきものです。
タンクレストイレにリフォームしたいと思っても「トイレの費用は高くないか」「リフォームの費用はどれくらいかかるだろうか」といった疑問が生じると、なかなかリフォームに踏み出せません。
今回は、タンクレストイレのリフォーム費用について紹介します。また、タンクレストイレのメリット・デメリット、交換時の注意点、リフォーム事例についても紹介します。最後まで読んで、素敵なトイレ空間づくりにお役立てください。
タンクレストイレのリフォーム費用相場はいくら?
タンクレストイレのリフォーム費用は、12万円〜33万円が相場です。手洗い場を設置するか、洋式トイレから交換するか和式トイレから交換するかで、費用が異なります。どちらも便器交換のみであれば同程度の費用ですが、工事費に違いが出てきます。
なぜなら、和式トイレから交換すると工事箇所が増えるためです。洋式トイレと和式トイレの交換工事の流れは、以下のように進めていきます。
洋式トイレの交換工事 |
|
和式トイレの交換工事 |
|
タンクレストイレの設置に段差は不要です。和式トイレの設置場所に段差がある場合は撤去する必要があります。撤去費用が加わるため、和式トイレから交換するほうが、費用が高くなります。
タンクレストイレにはどんなメリットがある?
タンクレストイレのメリットは、以下の3つです。
- 高機能で使いやすい
- 掃除に手間がかからない
- 節水機能によりコストを削減できる
闇雲に導入するのではなく、良さを知ってから導入すれば後悔しません。
高機能で使いやすい
タンクレストイレは、優秀な機能をいくつも備えています。搭載されている主な機能には、以下のとおりです。
- 消臭・除菌効果などトイレを清潔に保つ機能
- 便座のフタが自動で開閉する機能
- 便座の温度を調節できる機能
- トイレが自動でライトアップされる機能
便座のフタに手や指を挟んで怪我をしたり、冷たい便座に我慢して座ったりしないで済むため、お年寄りや小さな子どもでも安心して利用できます。
掃除に手間がかからない
タンクレストイレはコンパクトでシンプルなつくりをしており、拭き掃除がしやすいデザインです。一方で、タンク式トイレは、背面の壁や便座のフタの接合部の掃除の際にタンクが邪魔になり、時間がかかります。タンクレストイレは背面の壁やフタの接合部などもスムーズに掃除できます。
また、便器自体の性能も高いため、汚れを落とすのに時間がかかりません。汚れのつきにくい素材や、水はねしにくい構造のものが増えており、少ない労力で清潔なトイレを保てます。
節水機能によりコストを削減できる
タンクレストイレは、タンク式トイレに比べて水の消費量が少なく、節水効果が期待できます。
タンク式トイレが1回の洗浄で消費する水量は、13リットル程度です。一方、タンクレストイレが1回の洗浄で消費する水量は3〜4リットルと言われています。
1回の洗浄で10リットル程度の差があるため、年間換算すれば相当の節水ができるでしょう。
タンクレストイレにはどんなデメリットがある?
タンクレストイレのデメリットは、以下の3つです。
- タンク式トイレよりリフォーム費用が高い
- 停電の時に不便に感じることが多い
- 設置・交換ができない場合がある
弱点を十分に把握して、導入の有無を決めましょう。
タンク式トイレよりリフォーム費用が高い
タンクレストイレは高機能なものが多いため、タンク式トイレよりも割高です。タンク式トイレは10万円以内に収まるものがほとんどですが、タンクレストイレは10万円以上の商品が多数あります。工事費用によっては大きな差が生まれるため、予算との調整が必要です。
停電のときに不便に感じることが多い
タンクレストイレは、停電に弱いのが特徴です。水を流すのに電気を利用しているため、電気が使えないと水を流せません。
停電時はバケツに溜めた水を便器へ流し込んで排水しなければならず、不便に感じるでしょう。製品によっては、別付けのハンドルで排水できるものもありますが、価格が高くなります。
設置・交換ができない場合がある
タンクレストイレは水道の水圧で洗浄するため、水道の水圧が低いと設置できない場合があります。特に、築25年以上の古い住宅や高層住宅の上の階は水圧が低いため、設置前に確認しておくとよいでしょう。タンクレストイレに必要な最低水圧は0.05MpA(メガパスカル)といわれており、1分間で10リットルの水量を動かせる程度の力です。
また、タンクレストイレは、便座やウォシュレットを単体で交換できません。タンクレストイレは、タンク式トイレに比べて電気回路が複雑なため、修理はメーカーに依頼する必要があります。無理に自分で直そうとすると、最悪の場合、便器ごと交換になる場合もあるため、取り扱いには注意しましょう。
イレをタンクレスに交換するときの注意点3つ
タンクレストイレへ交換する際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 必要な機能を確かめておく
- 手洗い場の設置場所を決めておく
- 排水方式と電源の有無を確認しておく
必要な機能を確かめておく
トイレの選び方は、どのような機能を求めるかによって重視するポイントが変わります。例えば、手入れがしやすいトイレにしたければ、パワフルな洗浄機能やシンプルな便器のつくりを重視しましょう。長期的な節約を考えている場合は、節水機能に優れたものを選ぶのが鉄則です。
トイレ空間をおしゃれにしたければ、スタイリッシュな外観や色が選べるものがよいです。タンクレストイレは機能が豊富なので、あれもこれもと欲しい機能を増やしていくと、かなり高額になっていきます。
本当に必要な機能を洗い出してから、リフォームをしましょう。
手洗い場の設置場所を決めておく
タンクレストイレを設置する場合は、手洗い場も一緒に設置するケースがあります。手洗い場を設置する必要があるかどうかは、はじめに考えておきましょう。必要と判断した場合は、費用や工事内容を事前に確認しておくとよいです。併せて、どこにどのくらいの大きさの手洗い場を設置するか決めておきましょう。手洗い場が大き過ぎると、余計な工事費がかかったりタンクレストイレが置けなくなったりする場合があります。
排水方式と電源の有無を確認しておく
タンクレストイレの排水方法は、床排水と壁排水の2つです。設置予定のタンクレストイレと自宅の排水方法が異なる場合は設置できないため、工事前に見ておきましょう。排水方式の見分け方は次のとおりです。
- 床排水:トイレのタンク裏に排水管が見えない
- 壁排水:トイレのタンク裏に排水管が見える
また、電源の有無もチェックしておきましょう。タンクレストイレは電源がないとすべての機能を満足に使えません。
そのためトイレ内にコンセントがない場合は電気工事が必要です。トイレ交換工事とコンセント設置工事を別々に発注しなければならない場合もあるため、事前にコンセントの有無を確認したうえでスムーズに工事手配をしましょう。
【一覧表】タンクレストイレをぜひ注文したいおすすめメーカー紹介
タンクレストイレを販売しているメーカーはさまざまありますが、なかでもおすすめのメーカーはTOTO・Panasonic・LIXILです。
3社の代表的な製品と特徴を、以下にまとめました。
メーカー名 | 代表製品 | 特徴 |
TOTO | ネオレストRS
|
・シンプルな機能で低価格。
・除菌効果のある水で洗浄するため、掃除がしやすい。 |
Panasonic | アラウーノL150
|
・多機能で人気を集める。
・停電対応やオート洗浄・オート脱臭機能付き。 ・便器の蓋はオート開閉で、色が選べる。 |
LIXIL
|
サティスS | ・綺麗なデザインが人気。
・除菌・脱臭機能が充実。 ・汚れにくい素材を使っており、手入れが楽。 |
【参考】タンクレストイレにリフォームしたケースを紹介
ここからは、実際のリフォーム事例を見ていきましょう。
こちらは、トイレの蓋が壊れてしまったのをきっかけに、タンクレストイレへ交換しました。交換前は蓋がなく来客時のもてなしにも苦労しましたが、タンクレストイレを導入したことで、清潔で快適な空間を保てているようです。床・壁もホワイトに統一し、空間全体に一体感が生まれています。
タンクレストイレで清潔かつ快適な空間にしよう
ここまで、タンクレストイレのリフォーム費用相場とメリット・デメリット、交換時の注意点、リフォーム実例を紹介しました。
タンクレストイレは、価格こそタンク式トイレより高額ですが、豊富な機能とコンパクトなデザインで多くのメリットをもたらしてくれます。
排水方法・電源の有無をしっかりと確認し、コスト・機能ともに納得いく機器を選ぶとよいです。
もしなかなか結論が出ない場合は、トイレのリフォームに詳しい業者に相談するとよい提案をしてもらえる場合があります。困った場合はぜひ問い合わせてみましょう。
当社では、タンクレストイレのリフォームを承っています。費用や設置に関する悩みや疑問にも丁寧にお答えします。タンクレストイレのリフォームを検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
Q&A
Q.タンクレストイレとタンク式トイレの違いは?
A.タンクレストイレは壁側のタンクをなくし、省スペースと高性能を実現したトイレのことです。タンク式トイレは、壁側に大きなタンクを有し、貯めた水を利用して流す一般的なトイレのことです。
Q.なぜ和式トイレから交換する方が費用が高いの?
A.和式トイレから交換するほうが、段差の撤廃という工程が1つ増えるためです。
Q.タンクレストイレとタンク式トイレ、どちらがよい?
A.新たなトイレを設置する際に重視したい条件によって、どちらがよいかは変わります。気になる場合は、リフォーム業者に相談してみましょう。