古民家リフォーム・リノベーションはメディアでも度々取り上げられるほど、注目されています。
新築にはない趣が感じられるのも、古民家ならではです。
しかし、実際にリフォームするとなると、気になるのが費用ではないでしょうか。
新築で建てるよりも安いイメージをもっている人も多いかもしれませんが、実はデザイン性や快適さを求めていくと、費用は大きくなっていきます。
そこで、この記事では古民家リフォームの費用相場と、安く抑えるポイントについてまとめました。
実際にリフォームした事例も紹介しているので、参考にしてみてください。
古民家リフォームの費用相場は1,000万円〜
古民家リフォームの費用相場は工事の規模によって変わります。
部分的なリフォームなのか、全面リフォームの大規模工事なのかによっても費用は変動するため、予算は余裕をもって組んでおきましょう。
古民家は築年数が経っているため、水回りの交換や耐震・断熱工事が必要不可欠です。
家の劣化や不具合によっては、工事費が追加で発生する可能性もあります。
また、現代の暮らしに合わせるとなると、間取りの変更もおこなうはず。
工事箇所が多くなればなるほど、高額になるのは当然です。
デザインや設備ももちろん大切ですが、費用がかさんで予算オーバーにならないように注意する必要があります。
古民家リフォームの実例と費用を紹介
【700万円】築102年の古民家を快適に暮らすために部分リフォーム
設備の老朽化をきっかけに、トイレとリビング・ダイニングをリフォームした例です。
対面キッチンにはIHと食洗機を完備しました。
快適に暮らせるように、新しい設備を取り入れながらも、古民家の雰囲気は壊さず活かしています。
【2,000万円】築90年の古民家を立派な梁が際立つ住宅へ部分リフォーム
受け継いだ家を、現代の暮らしに合わせてリフォームしました。
玄関や和室、外構など場所を決めて部分的にリフォームしています。
物置になっていたところは明るい洋室に、広々とした玄関はまるで旅館のような風情さえ感じられます。
【5,000万円】築140年の古民家をあらわし梁が魅力的な明るい住宅へ全面リフォーム
現代の暮らしに合った間取りではなく、不便なところがあったため、住みやすく全面リフォームした例です。
ダイニングキッチンには立派な梁が見え、新旧が調和した空間となっています。
明るくなった和室は、元あった欄間をそのままにして、趣のある一室に。
和モダンな雰囲気を出せるのも、古民家リフォームならではです。
古民家リフォームの費用を安く抑えるポイント
古民家リフォームは工事規模や希望によって、費用は大きく変動します。
しかし、できるなら少しでも費用を抑えたいと考える人が多いのではないでしょうか。
予算も限られているため、削れるところは削って、理想の家づくりをしたいはずです。
だからといって、費用を気にしすぎるあまり、設備や間取りを妥協してしてしまうと希望するリフォームができません。
そこで、ここからは古民家リフォームをするときに、費用を安くするポイントを紹介していきます。
既存の物を積極的に使う
古民家にあるもので、使えるところはそのまま残すようにしましょう。
古材を使うとコスト削減につながるのはもちろん、古民家でしか味わえない趣のある空間を演出できます。
例えば大きな柱や梁などは、今手に入れようと思っても難しく、同じようなものを取り入れようとすると高額になりがちです。
また、すべて新しくすると古民家リフォームの意味がなくなってしまうため、使えるものは積極的に使っていきましょう。
リフォームの優先順位を決める
古民家リフォームは工事箇所がたくさんあるため、最優先事項はどこなのか、譲れない部分はあるのかを決めておくことが大切です。
長く住み続けるためには、住み心地の良さや安全面に関わる工事をしなければいけません。
もちろん、おしゃれなデザインにするのもよいでしょう。
しかし、デザイン性を求める前に耐震・断熱工事や基礎補強といった、安心して暮らすために重要な工事を優先的におこなっていく必要があります。
また、キッチンやトイレの交換はリフォーム会社を通すより、自分たちで用意すると安くなる可能性があるので検討してみてください。
補助金を活用する
国や自治体から古民家リフォームの工事費用として、補助金がもらえることがあります。
例えば東京都足立区にあるのが「住宅改良助成」という制度です。
バリアフリー改修工事に伴い、補助金がもらえます。
段差解消や洋式トイレの設置、家族が増えたことによる間取りの変更などが対象です。
各都道府県の自治体によって、補助金制度はいろいろあるので、一度問い合わせてみましょう。
事前調査を実施する
古民家のリフォームで費用を抑えたい場合は、事前調査を十分おこなうことが大切です。
年数の経っている古民家は不具合が多く、追加工事が発生する可能性があります。
この事前調査を怠ってしまうと、いざ工事が始まったときに劣化が見つかり、追加費用がかかってしまうケースも少なくありません。
天井や柱などの構造をあらかじめ確認しておくと、劣化の見逃し防止につながります。
工事が始まると止められないため、事前調査でしっかりチェックしておきましょう。
古民家リフォームで後悔しないために気をつけたいこと
人生で何回もすることのないリフォーム。
金銭面においてはもちろん、デザインや間取りなども失敗したくないと考える人が多いでしょう。
終わってから後悔することないように、注意しておきたいポイントを紹介していきます。
予算に余裕をもつ
リフォーム費用の予算は余裕をもって組んでおきましょう。
古民家はどうしても築年数が経っているため、老朽化しているところが多く、そのぶん工事費用が大きくなるからです。
古民家リフォームは、新築より安いイメージをもっている人が多いかもしれません。
しかし、実際工事が始まると、思った以上に費用がかかったというケースもあります。
また、前述した通り事前調査を怠ることで追加工事を発注せざるを得なくなると、さらに費用がかかってしまう場合もあるでしょう。
想定外のところで工事費用が必要になるかもしれないので、多めに予算を組んでおいて損はありません。
新旧が調和するようにプランニングする
古民家リフォームでは、設備や建具の新しさと、元ある古い趣の良さが調和するようにデザインすることが大切です。
快適さを求めるあまり、最新の設備ばかり取り入れてしまうと、古民家の雰囲気と交わらなくなってしまう可能性があります。
古民家の雰囲気がなくなってしまうと、新築と変わりません。
古民家リフォームの良さは、風情と温かみのある空間で暮らせるところです。
快適さを求めるのはもちろん大切ですが、上手く新旧が調和できるようにしっかり打ち合わせする必要があります。
耐震・断熱工事をおこなう
古民家リフォームで重要なのが耐震・断熱工事。
特に、1981年6月の耐震基準が改正される前に建てられた家は耐震性能が低く、災害が起こると倒壊する恐れがあります。
また、気密性にも欠けている場合が多く、夏は暑く冬は寒いので快適に暮らせません。
冷暖房が効きにくくなるため、電気代が高くなる可能性もあります。
安心して長く暮らせるように、耐震性と断熱性はしっかり確認しておくことが大切です。
必要に応じた耐震補強工事と、住宅の状態に適した断熱化工事が必要になるため、リフォーム会社と相談して決めましょう。
信頼できるリフォーム会社の選び方
いざ古民家リフォームをするとなったときに迷うのが、業者選びではないでしょうか。
リフォーム会社はたくさんあるため、どこが良いのか、何を基準に選べばよいのかわからない人も多いはずです。
何も知らないままでは、悪徳業者へ依頼してしまい、手抜き工事や高額費用の請求などトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
そこで、信頼できるリフォーム会社を選ぶときのポイントを5つまとめました。
実際に会って話し合いをするときの参考にしてみてください。
施工事例や実績を確認する
リフォーム会社を選ぶときには、ホームページやチラシなどで施工事例や実績を事前に確認しておきましょう。
リフォームのことを知らない素人にとって、実績の多さは業者選びの基準となるはずです。
さらに、自分の理想に合った施工事例があれば安心して依頼できます。
また、リフォーム会社はそれぞれ得意とする施工が異なるため、どのようなことに対応できるのかチェックしておくことが大切です。
例えば外壁や屋根のプロなのか、全面リフォームの専業なのか、リフォーム会社によって対応できる内容は変わります。
希望に合っているところを選ぶことで、適切なプランニングをしてくれるでしょう。
費用が安すぎないか複数業者と比較する
リフォーム費用はもっとも気になるところかもしれませんが、あまりに安すぎるリフォーム会社は要注意です。
人件費を削っていたり、丁寧さに欠けていたりと何らかの理由がなければ相場に対して安すぎるリフォーム費用にはなりません。
トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、1社のみに絞って決めないようにしましょう。
3〜5社程度のリフォーム会社と比較して、相場に合った金額になっているかチェックすることが大切です。
また比較することで、会社ごとの良さやデメリットもわかるため、業者選びは慎重におこなってください。
保証やアフターサービスが充実しているか注目する
保証内容やアフターサービスの有無は契約前に聞いておきましょう。
リフォーム後の保証があると、不具合が出たときにも安心です。
もし、保証内容を聞かずにリフォームしてしまったなら、終わってから気になる箇所が出てきたとしても、責任をとってくれないかもしれません。
不具合があった場合だけでなく、困ったときに相談できるメリットもあるため、アフターサービスが充実している会社を選びましょう。
相性の良い担当者がチェックする
リフォームするときには、何度も打ち合わせする必要があるため、楽しい雰囲気で話せる担当者の方がスムーズに進められます。
気持ちよくコミュニケーションがとれると相談もしやすく、衝突する可能性も低いでしょう。
反対に、リフォーム内容がよかったとしても、担当者が威圧的だと意見がぶつかる場合があります。
また、担当者の発言や態度はリフォーム会社の信用度にもつながるはずです。
あまりに愛想がない、丁寧さに欠けて態度も気になるといった場合は、不信感を抱いてしまいます。
感覚的なことにはなりますが、工事内容だけではなく、担当者との相性の良さも意識しておきましょう。
口コミを参考にする
ネットで調べると何でも出てくる時代だからこそ、実際の口コミを参考にするのがおすすめです。
評判が良いとされていると安心して工事を任せられます。
一方、悪い口コミが多いと信頼性に欠けるため、業者選びの判断基準にもなるでしょう。
口コミは生の声なので、専門的なことがわからなくても、評判の良さから候補を絞っていけます。
しかし、口コミでよかったからといって、自分とも相性が合うかどうかはわかりません。
口コミはあくまでも参考として、実際に会って話し合う、他社と比較するなど自分で行動して選ぶことが大切です。
まとめ
古民家リフォームの予算は1,000万円〜、高いと3,000万円以上もするため、意外と高額です。
しかし優先順位を考えることで、費用が抑えられて、予算内にリフォームできます。
現代の暮らしに合わせた設備を取り入れつつも、古民家の良さをそのままにすることで魅力あふれる住宅ができるでしょう。
弊社ではいつでもリフォームの相談をしていただけます。
早めにプランを検討することで、より満足度の高いリフォームが実現できるため、気軽にお問合せください。