新築の家を建てる際、「新築の家のお風呂選びに迷っている」「掃除がしやすいお風呂を知りたい」など、お風呂選びで悩む人は少なくありません。
後々後悔しないためにも、お風呂を選ぶときはデザインだけでなく機能性や掃除のしやすさも考慮するのがおすすめです。とはいえ、メーカーによっていろいろな商品の商品の特徴があるので選ぶのが難しいですよね。
そこでこの記事では、お風呂の選び方のポイントやよくある失敗などを解説します。ほかにはおすすめのお風呂メーカーも紹介しているので、お風呂選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
お風呂には2つのタイプがある
お風呂には、在来工法とユニットバスの2つのタイプがあります。それぞれの特徴を解説します。
在来工法
在来工法とは、浴槽・床材・壁材などのすべてのパーツを自分で選び、一から手作りするお風呂のことです。在来工法のお風呂には、メリットとデメリットがあります。ここではそれぞれについて解説します。
メリット
・広さや形にとらわれず自由にデザインできる
在来工法の魅力は、広さや形にとらわれず自由にデザインできることです。木材やタイルなどユニットバスにはない素材が使えるため、幅広いデザインに対応できます。オーダーメイドでお風呂が作れるので、デザインにこだわりたい方にぴったりでしょう。
・耐久性が高いお風呂を作れる
在来工法では、使用する素材によって耐久性が高いお風呂を作ることができます。たとえば、タイルは耐久性に優れた素材のひとつです。水や熱に対しても耐性があるので、お風呂のように湿度が高く40度前後のお湯を扱う環境でも、長く使いつづけられるでしょう。
デメリット
・品質が安定しない
在来工法ではすべての作業を人の手でおこなうため、業者によって仕上がりが異なる可能性があります。水漏れを防ぐ下地の施工はとくに大切ですが、タイル貼りや木材の加工にも高い技術力が必要です。そのため、安心して工事を任せられる経験豊富な業者を見きわめなくてはいけません。
・作るのに時間がかかる
在来工法のお風呂は、デザインの自由度が高いがゆえにお風呂の広さや浴槽、壁、床などの素材や形を一から決めなくてはなりません。そのため設計をするのに時間を要します。
さらに工事をすべて手作業でおこなうため、ユニットバスにくらべると長い工事期間がかかるでしょう。
ユニットバス(システムバス)
ユニットバス(システムバス)とは、工場であらかじめパーツを作り、現場で組み立てて作るお風呂のことです。ユニットバスにもメリットとデメリットがあるので、ここではそれぞれについて解説します。
メリット
・手入れがしやすい
ユニットバスは、メーカーがさまざまな工夫をこらして作っているので手入れが簡単です。汚れにくい加工がしてあったり、掃除しやすいように排水口の形状を工夫していたりする商品もあります。ほかにも自動で浴槽や床を掃除できるお風呂などがあるので、掃除に時間をかけたくない人におすすめです。
・業者による仕上がりの差が少ない
ユニットバスは工場で作られたパーツを組み立てるだけなので、どの業者に依頼しても仕上がりに大きな差がでることはありません。そのため、施工不良により水漏れが起こるリスクが少なく安心感があります。
・安全性が高い
ユニットバスは安全性に優れています。すべりにくい床材を使用していたり、浴槽をまたぎやすい高さにしていたりするので、小さい子どもや高齢者がいるご家庭でも利用しやすいでしょう。
デメリット
・使えるパーツが決まっている
ユニットバスはメーカーごとに使えるパーツが決まっています。壁のデザインはさまざまなパターンが用意されていることが多いですが、お風呂の広さや浴槽の形にはあまりバリエーションがありません。そのため、デザインにこだわりたい人はもの足りないと感じるかもしれません。
新築のお風呂でよくある失敗例と対策
家を建てるときは後悔しないように入念な計画を立てますが、それでも納得のいく家を建てるのはなかなかむずかしいものです。ここでは、新築のお風呂でのよくある失敗例と失敗しないための対策を紹介します。
広さが合わない
新築のお風呂でよくある失敗のひとつとして、広さが合わないことが挙げられます。設計時にはリビングやキッチンの広さが優先されがちですが、そうなるとお風呂には十分なスペースが確保しづらくなります。設計段階ではさほど気にならないかもしれませんが、実際に使ってみると思ったより窮屈で使い勝手が悪いと感じる人が多いです。
一方、必要以上にお風呂が広すぎると、寒く感じられたり掃除が大変になったりするデメリットがあります。家族構成や体格の大きさなどによってその家庭に適したお風呂の広さが異なるので、ショールームに足を運んで実物を体験してみるのがおすすめです。
湿気やカビが発生しやすい
日当たりの悪い位置にお風呂を作ったり、しっかり換気できる工夫をしていなかったりすると湿気やカビが発生しやすくなります。
一般的には日当たりのいい場所にリビングを作るので、お風呂は日当たりが悪い場所に設置されがちです。リビングでの過ごしやすさを考えるとお風呂の場所を変えるのはむずかしいので、日当たりが悪くても湿気がこもらないように工夫しましょう。
具体的には、大きめの窓を設けて風がよく通るようにしたり、いつでも窓が開けられるように人目が気にならない位置に窓を設置したりするのがおすすめです。また、換気扇でも湿気対策ができるので、各メーカーの換気性能もチェックしてみてください。
必要のないオプションを付けた
新築のお風呂では、不要なオプションをつけてしまうことがよくあります。ショールームに行くとどのオプションも魅力的に感じますが、実際には最初だけ使って日が経つにつれて使わなくなるといったパターンが多いです。
また、メンテナンスが必要なオプションもあるので、むやみにオプションをつけるのはおすすめしません。オプションによっては後付けできるものもあるので、迷うものは実際に住んでから考えてもいいかもしれません。オプションのいい面だけでなく、メンテナンス性などもしっかり確認したうえで、本当に必要かどうかを判断しましょう。
色の選択
お風呂の色で後悔している人も多いです。黒や青などの濃い色はスタイリッシュな仕上がりになりますが、石鹸カスや水垢などの白い汚れが目立ちます。汚れが気になる人やこまめに掃除ができない人は濃い色を避け、白やアイボリーなどの明るい色を選んだ方がいいかもしれません。
とはいえ、せっかくのマイホームなのでデザインにもこだわりたいと思う人も多いでしょう。メーカーによっては汚れが付きにくい加工をしている製品もあります。デメリットを理解したうえで、いろいろな製品を比較しながら好みの色を選択するといいでしょう。
お風呂選びのポイント
お風呂選びのポイントを3つ紹介します。
デザイン
お風呂を選ぶときは、デザインをチェックしましょう。お風呂は体の汚れを落とすとともに、心身をリフレッシュさせる場所でもあります。好みのデザインでゆっくりリラックスできる空間を作りましょう。
デザインというと壁や浴槽の色に意識がいきがちですが、浴槽の形や素材、照明などもメーカーによってさまざまです。気になるメーカーがあれば、ショールームで実際の雰囲気を確認するのがおすすめです。
機能性
お風呂を選ぶときは、機能性にもこだわりましょう。ただ、必要な機能は人によって異なるので、自分が取り入れたい機能を明確にしておく必要があります。お風呂のおもな機能は以下の通りです。
断熱性 | ・床や浴槽、壁などに冷めにくい工夫がされているか |
安全性 | ・床のすべりにくさ
・浴槽の高さ ・手すりの有無 |
利便性 | ・浴室暖房乾燥機
・自動浴槽洗浄 ・自動床洗浄 ・ミストサウナなど |
メーカーによって対応していない機能もあります。取り入れたい機能がつけられるメーカーを選びましょう。
掃除のしやすさ
水回りは汚れがつきやすいので、掃除のしやすさも重要です。とくに以下のポイントを確認しましょう。
・排水口の髪の毛が捨てやすいか
・床の水はけはいいか
・床と壁のつなぎ目は掃除がしやすい形状か
・棚やカウンター、鏡は必要か
掃除がしやすいだけでなく、汚れがつきにくいように特殊な加工をしたり独自の素材を使ったりしているメーカーもあります。どんな工夫がなされているか比べてみるといいでしょう。
新築でお風呂を設置する費用
新築でお風呂を設置するときの費用相場をご紹介します。
在来工法の費用相場
新築で在来工法のお風呂を設置するときの費用相場は、65万円~95万円程度です。ただ、在来工法では使用する素材やお風呂の広さなどによって費用が大きく異なります。もちろん業者によっても違いが見られるので、一般的な相場として参考にしてください。
ユニットバスの費用相場
新築でユニットバスを設置するときの費用相場は、65万円~100万円程度です。ユニットバスの費用も、オプションの有無やグレード、メーカー、サイズなどによって大きく異なります。工事費や割引の有無も業者によってまちまちなので、一般的な相場としてお考えください。
おすすめのお風呂メーカー
最後に、おすすめのお風呂メーカーの特徴と人気製品を紹介します。なお、各メーカーともグレードによって標準装備ではないものもあるので、詳細は公式サイトで確認してみてください。
TOTO
TOTOのお風呂の特徴は以下の通りです。
デザイン | ・壁:38種類
・床:14種類 ・浴槽:9種類 |
機能性 | ・床の内部にやわらかい断熱材が使用されており、安全性が高く冷たさを感じにくい
・独自の断熱構造の浴槽でお湯が冷めにくい ・自動で浴槽や床を洗浄できる |
掃除のしやすさ | ・床の表面に特殊加工が施されており速乾性がある
・壁同士の継ぎ目にシリコンの目地がなく汚れにくい ・排水口は抗菌や防カビ効果のある樹脂性で、髪の毛がからみにくい構造をしている |
TOTOで人気があるのは「サザナ」シリーズです。メーカー参考価格は、戸建てのお風呂の一般的な1616サイズ(1坪)の場合で805,200円~(税込・工事費別)となっています。
ハイグレードタイプの「シンラ」には劣るものの、基本的な機能はそろっているので十分快適に過ごせるでしょう。やわらかい床はTOTO独自の機能です。小さい子どもや高齢の家族がいる場合は安心かもしれません。
パナソニック
パナソニックのお風呂の特徴は以下の通りです。
デザイン | 壁:26種類
床:3種類 浴槽:11種類 |
機能性 | ・床暖房に対応している
・独自構造の浴槽でお湯が冷めにくい ・「酸素美泡湯」という湯冷めしにくく、肌がしっとりするお湯が選べる |
掃除のしやすさ | ・床の端が立ち上がっているので掃除しやすい
・床の表面に小さな凹凸があり速乾性がある ・浴槽に汚れにくい成分が練り込まれているので水や汚れをはじく ・排水口は髪の毛が集まりやすい形状で、さらに特殊コーティングで汚れをつきにくくすることができる ・ライン状のLED照明が埋めこまれていて、なおかつ天井がフラットなので掃除しやすい |
パナソニックで人気があるのは「オフローラ」です。メーカー参考価格は、1616サイズ(1坪)のベーシックプランで1,188,550円(税込・工事費別)となっており、TOTOやリクシルに比べるとやや高額です。
ただし、これはオフローラのベーシックプランにすでにさまざまなオプションが付いているためで、パナソニックのお風呂が特段高いわけではありません。不要なオプションは削除できるので、好みに合わせてより低価格に抑えることも可能です。
リクシル
リクシルのお風呂の特徴は以下の通りです。
デザイン | ・壁:40種類
・床:6種類 ・浴槽:13種類 |
機能性 | ・断熱性のある床で冷たさを感じにくい
・独自構造の浴槽でお湯が冷めにくい ・カウンターを折りたたんだり取りはずしたりできる ・自動浴槽洗浄機能あり |
掃除のしやすさ | ・床の溝が浅く掃除がしやすい
・床に特殊な処理がしてあり皮脂汚れが付きにくい ・独自構造の排水口で髪の毛が集まりやすい |
リクシルのお風呂で人気の「アライズ」が廃盤となり、代わりに登場したのが「リデア」シリーズです。メーカー参考価格は1616サイズ(1坪)で、979,000円〜(税込・工事費別)となっています。
リクシルのお風呂は壁のデザインが豊富なため、ユニットバスのなかでもデザイン性を重視したい人に向いているでしょう。
ポイントを押さえて失敗のないお風呂選びをしよう
この記事では、お風呂選びのポイントやおすすめのお風呂メーカーを紹介しました。お風呂を選ぶときは優先したいことを明確にし、ユニットバスの場合はショールームで実物を確認しながら進めましょう。
在来工法にする場合は、施工業者選びがとくに大切です。お風呂選びで失敗しないためにも、実績が豊富で信頼できる業者に依頼しましょう。