お住まいの築年数が長くなることで、リフォームを検討する方が増えてきます。しかし老朽化が激しい建物については部分的なリフォームでよいのか建て替えた方がよいのか悩む方は少なくありません。
この記事では、リフォームと建て替えの違いやそれぞれのメリット・デメリットを解説します。また判断基準についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
リフォームと建て替えの違い
リフォームと建て替えには、明確な違いがあります。ここでは、リフォームと建て替えの違いや費用の違いについて紹介しましょう。
リフォームとは
リフォームとは、基礎部分には手を加えずに部分的に工事を行って新築同様の状態に戻す工事のことです。たとえば古くなった水回り設備の交換や、窓の交換といった部分的な工事が該当します。他にも外壁の塗り替えや内装の一新工事なども部分的なリフォームとして挙げられます。
ちなみにリフォームに掛かる費用は、リフォームの内容によって大きく異なるでしょう。部分的なリフォームであれば300万円程度で済みますが、フルリフォームとなると2,000万円以上と高額な費用が必要となるケースもあります。
建て替えとは
建て替えとは、建物の基礎部分からすべてを取り壊して新たに建物を建築する工事のことです。更地にした状態から新たに建物を建てることになるため、自分好みの間取りや外観の建物を手に入れることができます。
ただし建て替えを行う場合は、新築同様の建物を建てることになるためリフォームと比べると高額です。ちなみに建て替えにかかる費用は、30坪の場合に2,000万円以上が費用相場となります。
リフォームのメリット・デメリット
リフォームには、工期が短いことや税金が減税されることといったメリットがあります。一方で、自分好みの間取りにできないことがデメリットです。
工期が短い
リフォームのメリットは、工期が短いことです。建物の基礎部分まで解体する必要がないリフォームは、建て替えに比べて作業量が少なく工事期間も短くなります。工事の規模にもよりますが、およそ3ヶ月程度で工事が完了するでしょう。
ただし、フルリフォームを行う場合は注意が必要です。フルリフォームは工事の規模が大きくなるため、工期も長くなりやすい傾向があります。リフォームの内容によっては、半年近くかかるケースもあるでしょう。
税金が減税される
リフォームを行えば、税金面での負担を軽減させることが可能です。たとえば耐震リフォームを行う際に、「住宅ローン減税」や「固定資産税の軽減」などの制度が利用できます。所得税の控除が受けられるため、通常よりも安い税金で済みます。
ただしリフォームで減税するためには、確定申告が必要です。確定申告のやり方が分からない場合は、施工業者に一度相談してみましょう。
自分好みの間取りに変更できない
リフォームのデメリットは、自分好みの間取りに変更できないことです。リフォームは建物の構造を残したまま行うため、間取り変更の際に制約が発生してしまいます。たとえば柱や梁が移動できないことで、大幅な間取り変更が厳しくなるでしょう。
また仮に柱や梁を撤去できたとしても、家の強度が低下してしまう恐れがあります。イメージ通りの間取り変更ができずに、満足度の低い工事となりやすいのがデメリットです。
建て替えのメリット・デメリット
建て替えのメリットは、自分好みの間取りにできることです。しかし工期が長いことや、さまざまな税金がかかってしまうことがデメリットとして挙げられます。
自分好みの間取りに変更できる
建て替えでは、家をすべて解体し、新築のように建て直すため、リフォームと比較するとプランニングの自由度は圧倒的に高くなります。
柱や梁など、プランニングの障害となる構造もすべて撤去してしまうため、既存の間取りに制約を受けることもありません。
そのため、リフォームのように「間取りを変えた結果、前よりも使いにくくなってしまった」という失敗も少なく、今後の生活に合わせた無駄の無い満足度の高い家を手に入れやすいというメリットがあります。
工期が長い
建て替えのデメリットは、リフォームに比べて工期が長くなってしまうことです。建て替えは既存の建物をすべて解体してから新たに建物を建築することになるため、工事の規模が大きくなります。
また工事期間の目安は6ヶ月と言われているため、リフォームに比べて3ヶ月も長くなります。ちなみに工事会社の選定やプランニングまで合わせれば、1年以上かかってしまうでしょう。
さまざまな税金がかかる
建て替えを行う際は、さまざまな税金がかかるので注意が必要です。たとえば住宅を新たに取得することになるため、不動産所得税が発生します。
他にも不動産を登記する登録免許税や工事請負契約書を交わす印紙税まで発生してしまうでしょう。リフォームでは発生しない費用が建て替えには発生してしまうため、総費用が余計にかかってしまいます。
リフォーム・建て替えの時期を見極めよう
リフォームや建て替えの時期については、ライフスタイルの変化や住まいの老朽化で判断するのがおすすめです。以下に、それぞれの判断基準について詳しく解説しましょう。
ライフスタイルの変化
リフォームや建て替えの時期は、ライフスタイルの変化に合わせるのがおすすめです。たとえば親と同居するタイミングの場合に、大きくライフスタイルが変わります。それぞれの世帯に合ったリフォームや建て替えを行うことで、二世帯が快適に暮らすことができるでしょう。
また子供の成長に合わせて、リフォームや建て替えすることもおすすめです。子供の成長に合わせて部屋数を増やせば、子供のプライバシーを守ってあげることができます。
住まいの老朽化
一般的な住宅は、築30年が建て替えのタイミングと言われています。そのため30年を基準に、建て替えるかどうかを判断するのがおすすめです。
ちなみに築30年を経過した住宅は、構造体の柱や梁が腐食している可能性が高くなります。構造体が腐食していると、本来の強度を維持できなくなっているため住み続けるのが危険です。
またリフォームによって延命させることもできますが、建て替えと似たような費用となってしまうので、築30年以上の住宅は建て替えた方がコスパ的にもよいでしょう。
リフォームか建て替えか迷ったら業者に相談を!
ここまでリフォームと建て替えの違いや費用、判断基準まで紹介しました。しかし、どうしても判断に迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。リフォームか建て替えか迷った際は、業者に相談することをおすすめします。
業者に相談すれば、住宅に詳しい専門家からアドバイスを受けることができます。判断基準にもなるので、迷っている方は信頼できる業者に一度相談してみましょう。