経年劣化で見た目も古びてしまう外壁は、定期的な塗装が必要です。ただ、塗装をお願いしたいと考えていても費用や工事にかかる日数を考えると安価で済むDIYで対応した方がいいのか悩みますよね。そこで今回はなぜプロに外壁塗装を依頼するべきなのか、その塗装手順や作業の必要性についても詳しくご紹介します。
外壁塗装の手順を知っておこう!その理由とは
外壁塗装の工程は、どの業者でも大きな差はなく平均して2週間ほどです。ただ、どういった工程で塗装工事が行われるのかは、現地で作業をする業者だけでなく施工をお願いする依頼主も把握しておくことが大切です。その理由について詳しく見ていきましょう。
外壁塗装工事は苦情が来る可能性がある
一般的な工事は騒音の苦情が多いのですが、塗装工事の場合はそれに臭いが加わるためご近所トラブルに発展する可能性があります。また塗料が飛散して隣の家や庭を汚す可能性もあるため工期を把握しトラブルを未然に防ぐことが大切なのです。
工事のトラブルを未然に防ぐため
塗装工事の工期が業者によって大きな違いがないのは、工事の内容に差がないためです。ただし人間の力ではどうにもならない「塗装の乾き」があるため、塗装工事を実施する季節や天候によって差が出てきます。依頼する側がその事情を把握しておけば工事が遅れたとしても慌てずに対処できます。
悪質な業者に依頼して失敗することがなくなる
塗装工事は家の状態によって費用が変わってくるため、明確な費用相場がありません。そのため「費用を安くする」と勧誘し塗料を適正に使わなかったり、重ね塗りをしなかったりと悪質な工事をする業者にあたってしまう可能性があります。塗装工事の手順や工事内容を理解していれば、見積もりや工事進行表を見せてもらった時点で悪質な業者かどうかを判断することができ、失敗を回避できます。
外壁塗装の工事はどう進む?
外壁塗装の工事の工程について、日程と内容を詳しくご紹介します。塗装部分の広さや家の形状によって作業は変わってきますが、一般的な流れをここでは見ていきましょう。今回は外壁塗装のみの工程です。
足場とシートの設置(1日目)
外壁塗装をする前に、工事のための足場組みをします。足場を組まずに塗装する方法もありますが、足場の安定性を考えるとおすすめできません。塗装は外壁面だけでなく軒天(軒の裏側)といった細かい部分の作業も多いので、安定した足場が必須です。さらに塗料の飛び散りを防ぐため、足場を囲むように飛散防止シートの設置も行います。
高圧洗浄や抗菌剤の塗布(2日目)
外壁の汚れを高圧洗浄で洗い流します。外壁には長年の埃や細かなゴミ、塗装の劣化で発生したチョーキング(細かい粉末)などが付着しているため、塗装前にきれいにする必要があるためです。また海に近い場所だと塩が付着しやすいため丁寧な洗浄が必須です。さらにカビや苔が発生している場合は、高圧洗浄では取りきれないため、抗菌剤を塗布します。
乾燥・下地補修・養生(3日目~5日目もしくは6日目)
高圧洗浄をした後は最低でも24時間、できれば48時間の乾燥が必要です。水分が残っていると塗料を塗った後に表面に泡のようなフクレが発生してしまいます。乾燥が完了したら、ひび割れの補修やコーキング工事(シーリングの打ち直しや打ち増し)を実施します。塗装のための下地づくりが完了次第、塗料がついていけない箇所に養生を実施して完了です。
塗装(6日目~8日目もしくは9日目)
塗装の準備が整ったらいよいよ塗装開始となります。業者によって呼び方は変わりますが、下塗り・中塗り・上塗りと実施します。下塗りは塗料がきちんとつくよう下地として下塗り材を使用し、中塗りと上塗りは同じ塗料を使用する場合、また中塗り用塗料を使用する場合とがあるので、見積もりの時点で確認しておくといいでしょう。外壁以外の付帯部分(雨樋や雨戸、ベランダ、軒天など)は天候や外壁の塗装のタイミングを見ながら実施します。業者によっては取り外しの可能な雨戸は持ち帰りで塗装してくれることもあります。
養生とり・点検(9日目もしくは10日目)
養生テープ等をすべてはがします。取り忘れがないかどうか確認した後、施工業者と依頼主が立会いのもと塗装部分を確認します。塗装した後は10~15年は塗り直しをしないことに加え、足場がなくなった後だと、手が届かない部分の塗り忘れや養生のはがし忘れは対応できません。そのためしっかりと点検をする必要があります。
足場の解体・清掃(10日目もしくは11日目)
点検で問題がなければ足場を解体し、周辺の清掃を行います。近所の家の車や自転車、バイクにかけたカバーも外し忘れがないか再度確認をし、養生テープやビニールが他の場所に飛んでいないかもチェックします
引き渡し(10日目もしくは11日目)
すべての作業が完了したら引き渡しとなります。業者によっては保険やアフターフォローに対応していることもあります。ただしやり直しの対応は期限が決められていることも多いので、事前の確認が必要です。
外壁塗装の手順の疑問点を解決!
外壁塗装の手順や流れを理解していても、専門家ではないのでよく分からないという部分も多くありますよね。そこで手順の中でよく聞かれることの多い疑問点を見ていきましょう。
塗装が必要な部分はいわなくてもしてもらえる?
外壁以外で塗装をして欲しい箇所があれば事前にお願いしておきましょう。特に付帯工事は塗料が別となっていることも多く、依頼がなければしないことがほとんどです。見積書を見て明記がない場合は確認して依頼するかどうかを決めましょう。
費用がかかる洗浄は省いても大丈夫?
外壁の洗浄はきれいに塗料を塗るためにも必須です。業者によっては、費用を安くするために洗浄をしないという選択肢を提示してくることがありますがおすすめできません。高圧洗浄に加え、苔やカビを薬品できちんと落としてくれる業者を選ぶようにしましょう。
屋根と外壁を一緒にお願いした場合どちらを先に塗装するの?
外壁と屋根を一緒に塗装する場合、かかる工期や手順を把握しておくことが必要です。家の規模にもよりますが、外壁だけの塗装の場合は10日程度、屋根も塗装する場合は2週間程度かかります。天候や塗装の時期によっては延びることもあります。また外壁と屋根を一緒に塗装する場合、先に外壁をして屋根を塗装しますが、屋根が2階部分にしかない場合は屋根を先に塗装するのがほとんどです。1階部分にも屋根がある場合、2階の外壁を塗装する際の足場にするため、業者の判断でどちらを先に塗装するか変わってきます。
外壁塗装の手順で重要な工程とは
外壁塗装は塗装のプロがしてくれるため、基本的にはお任せで大丈夫です。ただし大切な工程を費用削減で外していたりする場合、塗装の出来上がりを大きく左右する可能性があります。そこで外壁塗装を実施するにあたって、重要となる工程を見ていきましょう。
塗装よりも大切な下地の処置
塗装をきれいに仕上げるには、下地の処置が重要です。外壁は経年劣化でひび割れが発生していることも多く、洗浄してはじめて不具合が分かることも少なくありません。下地に不具合があるまま塗装をしても意味がないため、下地の処置を十分にすることが大切です。外壁材の素材によってはコーキング工事も必要となります。またベランダや雨戸といった鉄部にさび止めを塗ることも大切な下準備です。見積もりの時点でさび止めが入っているかどうかもチェックしておきましょう。
色の組み合わせや屋根や外壁に何色を塗るかは事前の打ち合わせが重要
外壁塗装の塗料は、実際に塗ってみないと仕上がりが分からないことが多く失敗することもあります。外壁は広い面を塗ることに加え、外なので日光で色の印象が大きく変わります。最近ではパソコンで仕上がりをCGで見せてくれる業者も多いのですが、それでもイメージ通りではないことがあるのでそれだけで決めるのは危険です。できれば、色々な家の塗装を手がけている業者に実際の施工例を見せてもらいながら相談することをおすすめします。
足場代は必須!費用は自社施工か外部に依頼するかの違い
外壁塗装で足場は必須です。ただ、「足場は自社で設置するので安いです」という売り文句には注意が必要です。足場は自社で持っていても保管やメンテナンスに費用がかかります。外部に足場をお願いしているから高いということはありません。むしろ足場設置を専門にしている業者に依頼した方がスムーズな場合もあります。また外壁工事で足場代の節約を勧める業者には注意しましょう。
外壁塗装の工事で注意すべきポイント
外壁塗装を依頼してすべてお任せしてもいいのですが、依頼主側でも工事の折々に注意したいことがいくつかあります。やり直しが効かない工事だからこそ、注意したいポイントを見ていきましょう。
飛散防止の対策をきちんとしてくれているか確認する
塗装工事では飛散防止シートを設置します。さらに飛び散りがないよう最新の注意を払って作業をしてもらえますが、それでも天候や強風といった思わぬ事態も考えられるため飛び散りが全くないとは言い切れません。特に近所の車やバイク、自転車に塗料がついた場合は賠償問題に発展する可能性もあります。そういった外に置いてある物に対しても対策をしてくれているかどうかチェックしましょう。
塗装の邪魔になる物は自分で撤去しておく
洗浄や塗装では、シートを家の周りに設置しますので近辺には飛び散ることはほぼありません。ただ、家の周囲に置いてある植木鉢やホースといった物が作業の邪魔になることがあります。破損や紛失でトラブルになる可能性もありますので、業者に任せきりにせず自分で先に片付けておきましょう。
騒音トラブルにならないように日程を把握してご近所に伝える
業者が挨拶回りをしてくれるとしても、自分でもご近所に出向くようにしましょう。足場の設置や洗浄、下地工事など塗装工事では様々な場面で大きな音が発生します。さらに天候によっては工事が延びる可能性も考えておかなければなりません。工事の手順や工程を把握し、折々でご近所の方の理解を得られるようにしておきましょう。
塗料をきちんと使っているかを確認する
塗料はそれぞれ一缶でどれだけ塗ることができるか公式サイトで明記されていますので、工事で使われる缶もチェックすることをおすすめします。塗料については見積書で明記されていますので、下地塗りを含めトータルで何缶使われるのか、実際に工事に入ってからも確認するようにしましょう。
外壁塗装の手順は依頼する側も把握しておこう
外壁塗装は塗装をする季節や天候によって、手順や工期が変わります。それでも基本的な流れや手順を把握しておけば、戸締まりが必要なタイミングや騒音が発生するのはどの工程なのかが分かるので事前の対策が立てられます。LINKハウスでは豊富な施工実績があり、工事についても丁寧にご説明させていただきます。外壁塗装をお考えでしたらまずは一度ご相談ください。