「日本の家」を象徴するもののひとつに「押入れ」がありますが、生活洋式の変化により現代では押入れを使いにくいと感じる人は少なくありません。押入れをリフォームして、より使いやすい収納に変えたり用途を変えたりしてスペースを有効活用しませんか?さまざまな押入れリフォームのアイデアやその費用についてご紹介していきます。
「押入れをリフォームしたい」よくあるお悩み
押入れは「奥行きがあって使いにくい」「積み上げるだけになってしまい中がごちゃごちゃする」といったお悩みをよく聞きます。腕を伸ばさなければ届かないほど奥が深く、仕切りが少ない構造は荷物を詰め込むと奥や下にある物が出しにくいのです。収納用具を買ってもなかなかスッキリと整理整頓するのは難しいですよね。そのため、使い勝手を良くするために思い切ってリフォームを考えてみてはいかがでしょうか。
押入れリフォームのアイデア
リフォームなら、ライフスタイルや予算に合わせて押入れを素敵に生まれ変わらせることができます。押入れは、高さ180~230㎝、間口165~180㎝、奥行きは45㎝もしくは60㎝、そこに高さ約70㎝の中断が付いているという形状が一般的です。一見すると画一的に感じられますが、アイデア次第でより生活を充実させられる空間になります。
1.シンプルで使いやすいクローゼット
中段を残すなど押入れの形状は残しつつ、棚や引き出しを付けることで整理しやすい収納に変えてみるのはいかがでしょうか?襖をアコーディオンドアやロールスクリーンに変えることでも、より中が見やすくなります。リフォームならしまいたい物や手持ちの衣類の量を基準に収納のデザインを考えられるというメリットがあります。
2.収納力抜群!ウォークインクローゼット
押入れは奥行きがあるのでウォークインクローゼットに変えるのもいいでしょう。ウォークインクローゼットにする場合は、中段を撤去してハンガーパイプを設置します。服をいちいち畳まなくても吊るしておけますし、ロングコートなど丈の長い物の保管もしやすいです。
3.思い切って「見せる収納」へ大変身
クローゼット以外へのリフォームも一つの手です。中段は70kg程度の耐荷重があるので、机として利用して書斎にしたり、子供が遊べるスペースにしたりも可能。また、奥行きを活かして、電子ピアノなどを置いて小さな楽器部屋、本棚を付けて読書スペースにするのもおすすめです。趣味をより充実させられるのではないでしょうか。
押入れリフォームの費用相場とポイント
押入れのリフォームは、簡単なものであればDIYで安価に済ませることも可能です。ただ、ポイントを押さえておかないと、突っ張り棒が服の重みに耐えきれずにすぐ落ちてしまう…といった失敗をしかねません。湿気が溜まりやすい場所なので、服にカビが付くだけでなく、家の基礎を腐食させてしまう危険もあります。リフォームのポイントと費用の相場をチェックして、押入れリフォームを成功させましょう。
リフォームの費用相場
押入れのリフォームにかかる費用は、解体・撤去費、建材費、設置費に大きく分けられます。
解体
1~3万円が相場です。このほか廃棄物の処分に2万円ほどかかることがあります。
撤去費
扉、壁紙、ハンガーパイプなど種類と品質に応じて数万~十万円程度になるでしょう。
設置費
リフォーム内容により約1万円~。壁や床に補強が必要だとプラス1~2万円かかります。
リフォームのポイント
クローゼットなど収納として活用するなら湿気対策を怠ってはいけません。湿気を放っておくと、壁紙にカビが生えたりはがれたりします。壁紙は防カビ素材や湿度調整機能を備えたものを選びましょう。また、ハンガーパイプを取り付ける場合は、服の重みに耐えられる丈夫なものを選びましょう。ブラケットというパーツを桟など木枠にネジで固定してからパイプを通すのが主流です。
もしDIYで失敗して業者にやり直してもらうと、かえって割高になることがあります。安く済まそうと安易に考えず、プロの意見を参考にしながらリフォームを進めてみてください。