屋根のリフォームには、塗装・重ね葺き(カバー工法)・葺き替えの3種類があります。それぞれ特徴や費用の相場も異なりますので、よく理解して自分の希望にあった方法を選びましょう。今回の記事では、補助金の利用についても解説していますので、併せて参考にしてください。
屋根塗装リフォームの特徴と相場
ここでは、屋根塗装リフォームの特徴と費用相場をご紹介します。
屋根の塗装
屋根の塗装は、屋根材に塗料を塗る工事です。この工事は屋根材の傷みが少ない場合のみ行うことができ、外壁の美観を保つだけでなく、屋根の劣化を防ぐ保護の効果もあります。屋根塗装の塗替え目安は一般的に10年といわれていますが、塗料の耐用年数によって変動します。例えば、アクリル樹脂を主成分とした「アクリル塗料」は5~8年程度ですが、シリコン樹脂を主成分とした「シリコン塗料」であれば10~13年程度持ちます。しかし、下地である屋根材の劣化が激しく補修が必要な場合は、塗装が不可能なケースもありますのでご注意ください。
費用
屋根塗装の費用相場は、25万円~が一般的な目安といわれています。費用は、使用する塗料の種類によって変動します。例えば、アクリル塗料なら5,000円~、シリコン塗料なら15,000円~が1缶あたりの価格です。また、塗料の中には「遮熱・断熱」効果の期待できる塗料などがあります。これらは一般的な塗料と比べると割高ですが、空調代を節約できるので、省エネにもつながるメリットがあります。塗料の種類は豊富なので、それぞれの特徴や耐用年数をしっかり理解し、予算と併せてお考えください。
屋根重ね葺き(カバー工法)リフォームの特徴と相場
ここでは、屋根重ね葺きリフォームの特徴と費用相場をご紹介します。
重ね葺き(カバー工法)
重ね葺きは、既存の屋根の上から新しい屋根材を被せる工事です。この工事は屋根を剥がす必要がないため、短期間かつ低コストでリフォームできると人気を集めています。屋根材が二重なるため、遮熱性や遮音性が高まるのもうれしいポイントです。一方、この工事の場合、使用できる屋根材は「スレート」「ガルバリウム鋼板」などのような軽量なものに限ります。また、塗装と同じように下地である屋根材の劣化が激しく補修が必要な場合は、塗装が不可能なケースもありますのでご注意ください。
費用
重ね葺きの費用相場は、50万円~が一般的な目安といわれています。費用は、屋根の形状や大きさ、使用する屋根材の種類などによって変動します。例えば、スレートなら4,500円~、ガルバリウム鋼板なら6,000円~が1㎡当たりの価格です。既存の屋根を剥がす必要がないため、解体費用および廃材処分費がかからないのが魅力。しかし、屋根が二重になることで湿気がたまりやすくなるので、外気を取り込む必要があります。そのため、重ね葺き工事に加えて、換気口をつける工事費用が発生することを頭に入れておくとよいでしょう。
屋根葺き替えリフォームの特徴と相場
ここでは、屋根葺き替えリフォームの特徴と費用相場をご紹介します。
屋根葺き替え工事
葺き替えは、既存の屋根を取り外し、新しい屋根材に取り替える工事です。屋根の種類や、劣化状況に関係なく施工できるのが特徴。全面的に屋根を一新することで、高い耐久性を得られるのがうれしいポイントですね。使用できる屋根材は、「スレート瓦」「ガルバリウム鋼板」に加え、重量のある「粘土瓦」「セメント瓦」などです。軽く性能に優れた屋根材を選べば、地震が発生時の建物の倒壊も防ぐことができます。一方、重ね葺きと違い、既存の屋根材を剥がす手間がかかり、費用がかさんでしまうデメリットもあるのでご注意ください。
費用
葺き替えの費用相場は、70万円~が一般的な目安といわれています。費用は、屋根の大きさや形状、使用する屋根材の種類によって変動します。上記のほかにも、既存の屋根を剥がす際に解体費用および廃材処分費がかかるため、屋根のリフォームの中でも費用が高いのが特徴です。一時的な出費が大きくなりますが、耐久性に優れており、長期的に見るとコストパフォーマンスもよいので、予算と併せてお考えください。
屋根のリフォームに補助金は利用できるのか
ここでは、屋根のリフォームをお得に行うための補助金制度について詳しく解説していきます。補助金を利用するための条件や、申請方法をご紹介しますので、しっかり確認しておきましょう。
補助金を利用するための条件
屋根のリフォームで補助金を受けるためには、以下の条件をクリアする必要があります。補助金を活用したい人は、条件に当てはまっているかどうかチェックしてみましょう。
・省エネや耐震リフォームを行う
遮熱・断熱性に優れた材料を使用したり、屋根軽減化のリフォームを行ったりすることで、補助金を受けられます。これらの条件は各自治体によって内容が異なる場合があるため、施工前に詳細を確認しておくとよいでしょう。
・居住することが目的である
当たり前ですが、住むことが目的の建物に出される補助金なので、住居ではない建物には該当しません。
・税金をきちんと納めている
補助金は税金が原資となっているので、滞納している場合は、基本的に申請をしても受けることができません。もし、現在税金を滞納しているようであれば、支払いを済ませてから申請しましょう。
・暴力団とかかわりがない
上記と同じように、国や自治体に背いている人は受けることができません。
・自治体が指定している業者に依頼する
自治体が指定していない業者に依頼した場合、補助金を受けることはできないのでご注意ください。
補助金の申請方法
補助金の申請方法は以下の通りになります。
1.助成金の申請書を受け取る
2.業者に見積もりを依頼する
3.申請に必要な書類を揃え、自治体へ提出する
4.申請が確定したら、業者と契約を結ぶ
5.自治体に実績報告書と請求書を提出する
6.後日、自治体から補助金を受け取る(振り込み)
補助金の金額相場
補助金の金額相場は、3万円~が一般的な目安となっています。補助金を利用するための条件、申請方法や必要書類、金額は各自治体によって異なりますので、必ず着工前にお住まいの市町村のホームページや窓口で確認しておきましょう。